喉ニ小骨ガ

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「砂漠に降る花」
第五章 砂漠に降る花


第五章(44)野獣のくちづけ

2009.10.31  *Edit 

 砂漠の国でも、オアシスの国でも、王族……特に国王ともなれば、神と同等の存在と思われている。
 武道会で登場した王族たちに熱狂する人々の姿は、記憶にも新しい。
 彼らの期待に応えるべく、国王は自分の弱さを押し殺しながら生きてきた。
 ただ、国のためだけに。

 そんな“理想の国王”という殻を破った素の国王が、人としてどんなに魅力的に映っているのか、きっと国王自身は知らないのだ。
 国王は、全ての穢れを拭い去ったような穏やかな笑みで、太陽の巫女の身体を抱いている。
 閉ざされた瞳の遙か向こう、冥界の縁で怯える彼女の魂に向かって言葉を投げる。

 口元が小さく動くけれど、その声は聴こえない。
 聴こえているのは、きっと太陽の巫女だけなのだろう。
 なのに、国王の気持ちだけは、周囲にも届くのだ。
 リグルも、クロルも、臣下たちも……盗賊たちですら、国王の放つ希望の光に包まれて、恍惚とした表情を浮かべている。

「過去は、決して変えられない。変えられるのは、自分の心と未来だけ……」

 サラは誰に言うでもなくささやくと、沈みかけた太陽に視線を移し、眩しげに目を細めた。
 そのしぐさに、周囲の人間たちは光り輝くもう一人……“女神”の存在を見つける。
 片手で熊を抱いたまま、もう片方の手で長い髪をかきあげるサラの黒髪は、暮れかけた夕陽ではなく朝の光を彷彿とさせる。
 サラの髪には、光の精霊たちがまとわりつき、希望の輝きを放つ。
 黒い騎士服を着ているというのに、壁画にある女神そのものにしか見えない。

「サラ……」

 女神のオーラを発するサラに、近づけるのはたった一人。
 同じく神として大地を見守る、精霊王だ。
 サラは、当たり前のようにジュートの腕に寄りかかると、やはり独り言のように呟く。

「“女神の器”として生まれた太陽の巫女の身体には、月巫女ほどじゃないけれど、赤い瞳を取りこめる力がある。でも、本来なら反発しちゃうはずなのよね。女神と邪神は犬猿の仲なんだから。なのに取りつくってことは、それだけ彼女の絶望が深かったから……」

 ジュートは、何も言わない。
 彼に任された使命は、物語の結末を見届けることだけだから。
 それでも、サラはジュートが居てくれて良かったと思った。
 こうして傍に居てくれるだけでパワーをもらえる。
 言葉にしなくても、彼が自分へ向ける海のように深い愛情に気付くことができる。

「昔からそうだったの。私は精霊王さえ居ればそれで幸せなのに、いつも邪魔される。本当はあのひと……“邪神”と戦いたくなんてないのよ。でも、他の人に迷惑かけるからしょうがないのよね。特にあのひと、人間の持つ恐怖とか不安が大好物だから……今回はたまたま気に入った“絶望”があったみたいだけど」

 焼畑農業のように、あちこちに現れては、そこの国を混乱に陥れて恐怖を味わう邪神。
 特に今回の赤い瞳は、太陽の巫女が持つあのトラウマがお気に入りで。
 だから、片方の瞳は太陽の巫女から離れられなかった。
 そんな風に、二つの瞳が別の器に入ったことも、運命が導いた奇跡の一つ。

「今あの身体には、赤い瞳が二つ揃って閉じ込められてる。だけど、そのまま森に封印するには、彼女の強過ぎる魂が邪魔なのよね。ああやって気を失ってるように見えても、魂から絶望って感情が供給される限り、赤い瞳は大人しく眠ってくれない」
「じゃあ、どうするんだ?」
「あれ、聞いててくれたの?」

 サラが笑うと、ジュートは心外だとでもいうように、サラの髪をくしゃくしゃと乱暴にかき混ぜた。

  * * *

 サラの視線の先には、なかなか目覚めない太陽の巫女に、粘り強く語りかけ続ける国王。
 国王の背景は、刻一刻と夕闇に霞んでいく。
 夜が来る前に、太陽の巫女が目覚めなければ、この勝負は次のステージへ持ち越しだ。
 サラも、女神として腹をくくらなければならない。
 でも、そうならずにすむような予感がする。

「あのね、ジュート。私さっき、すごくイイコト思いついちゃったんだ」
「イイコト?」
「うん、邪神を封印するナイスアイデア。太陽の巫女が、過去の傷を克服できればいいんだって思ったの。彼女が過去の自分を許して、希望を持てたとしたら、彼女の魂は赤い瞳にとって美味しくない味に変わるから、離れるはずなのよね。その瞬間に、太陽の巫女の魂を盗んじゃおうって。そうすれば、赤い瞳はその身体に閉じ込めたまま封印できるでしょ?」

 サラは、いたずらっこのようにペロッと舌を出してみせた。
 普通の人間は、肉体の死が先に来て、少し遅れて魂の死がやってくる。
 その逆パターンを作れば、赤い瞳の移動は封じられる。
 肉体の方が死んでしまう前に、サクッと魂を抜き出して封じてしまえばいい。

「巫女殿の魂を盗むって、どうやって?」
「ふふふ。私さっき、サラ姫って女の子の魂を自分に取り込んだんだ。ギュッと抱きしめて『おいで』って言ったら尻尾振って飛んできて……」
『――ちょっと、ヒトのことを犬みたいに言わないでよ!』

 耐えきれず飛び出てきたサラ姫。
 可愛い過ぎるツッコミにウケつつも、サラはクールに言い放つ。

「今大事な話してるから、邪魔しないで」
『アンタが“イイ男知ってる”っていうから! って別に私は、そこに釣られたわけじゃないけどねっ! とにかく、その人に変なこと言わないで!」

 キャンキャン鳴いて攻撃してくる、スピッツのようなサラ姫。
 黙らせるために、サラは最も簡単で効果的な方法を選んだ。
 背中の羽を一度二度と羽ばたかせて、三十センチほど浮き上がると、驚くジュートにバードキスを一つ。
 サラ姫は「キャー!」と叫びながら、心の奥にぴゅんと逃げてしまった。
 そんなサラ姫に、サラは「全く、初心な子ねぇ」と酸いも甘いも知りつくしたスナックママのような言葉をかけた。

「お前の方からそういうことされるのも、悪くねえな」

 瞳を細めたジュートが、シャープなあごをしゃくりながら不敵に笑う。
 サラ姫の初心さが伝染したのか、サラも顔を赤くしながら、すっかり手に馴染んだ熊サラを撫でまわした。
 サラは、二人のいちゃつく姿を目撃し、魂を抜かれている王子二人に気付かない。
 キスされた方のジュートは、当然気付いているのだが何も言わない。
 満足気にうなずくと、見せつけるように力強くサラを引き寄せた。
 緑の瞳を挑戦的に輝かせ、サラの耳元にあえて唇を近づけながらささやく。

「それで、どうしたって?」
「うん。ええっと……だからね、捨て犬一匹飼うのも二匹飼うのも変わらないでしょ? 太陽の巫女の魂って、元々女神用だったわけだし、私の中に住ませてあげられるかなって」

 サラは、太陽の巫女のことが好きだった。
 出会った当時は、正直得体が知れないし、なによりサラ姫崇拝っぷりがキツイと思っていた。
 その後知った、太陽の巫女の過去には同情した。
 そして、サラ姫へ向ける愛情に心打たれ……なによりこうして一人苦しんでいる人間らしさも好ましい。
 サラ姫も太陽の巫女が同居してくれれば喜ぶだろうし、ちょっとは落ちつくだろう。

「だけど、そんな必要無くなっちゃったみたい……彼女は捨て犬じゃなくて、迷い犬だったのよね」

 自分の考えた『赤い瞳封印計画』は白紙に戻ってしまった。
 それはそれで良かったのだ、と思いながら、サラはジュートの腕を軽く押しやる。
 背中の奥に隠れていたハナの姿を、サラはそっと見つめた。

  * * *

 なぜかハナは、泣きそうな顔をしながら立ち尽くしていた。
 今、ハナが何を考えているのか……シンクロしかけたサラの意識は、ジュートのささやきによって引き戻される。

「お前の母親……あれは、ずいぶん特殊な人間みたいだな」
「うん、私が言うのもナンだけど、お母さんってホントに変わってて……あっそーだ! ごめんね、さっきはお母さんがジュートのこと……プハッ!」

 謝ろうとしたサラの脳裏に、先程目撃した決定的瞬間の映像が蘇り、堪え切れず吹き出した。
 ジュートは眉根を寄せると、サラのこめかみを拳骨でぐりぐりと締め上げる。
 これは盗賊流の制裁の一つだ。
 制裁といっても幼児向けなのだけれど、これがけっこう痛い。
 サラは「ゴメン、もう笑わないから」と涙目で謝って、ぐりぐり攻撃から解放してもらった。

「それで、お前の母親は何者だって?」
「うちのお母さんも“太陽の巫女”なの」
「はぁ? 意味分かんねー」

 そう言いながらジュートは、首から上だけをハナの方へ向けた。
 浮き出る首筋の喉仏にトキメキつつも、サラはジュートの抱いた“興味”の理由を告げた。

「お母さんって、もしかしたら私よりずっと“女神”に近い人なのかも」
「お前と母娘だからってだけじゃねーのか」
「……お母さんには、邪神が司る負の感情が無いのよね」
「どうして」
「最初は普通の人だったんだけど……太陽の巫女は、自分が襲われるという事件のときに心を壊してしまった。邪神が取りついた上に、その事件のせいで妊娠してしまったの」

 幸せな花嫁になる前夜に、そんなことが起こったらと思うだけで、サラの胸は締め付けられるように痛む。
 一方で、冷静に受け止める自分も居る。
 相反する心を持て余しながらも、サラは語った。

「太陽の巫女は、女神の器になることを放棄した。けれど、運命からは逃れられない。結局は一番傷つく形で、次の器を作るための母体にされちゃったってわけ……」
「それで生まれたのが、お前ってことか」
「うん、それともう一人、“邪神の器”になる双子の妹がね」

 サラの心の奥には、自分の出生の秘密に怯えるサラ姫がいる。
 真相はおぼろげに感じていたはずだけれど、こうして実際に聞くとやはりショックなのだろう。
 サラ姫を少しでも安心させるために、サラはジュートの腕にぴっとりと張り付いた。
 折られたシャツの先から伸びた腕……剥き出しの皮膚の部分に触れると、それだけで心が安らぐ。

「女神の力って、便利ね。いろんなことが視えてしまうから」

 あの凄惨な事件の直後、王城から逃げる太陽の巫女は……いや、取りついた邪神は上機嫌だった。
 血塗られた瞳を隠そうともせず、笑顔さえ浮かべながら、砂漠を目指して進んで行った。
 絶望に満たされた太陽の巫女は、器としてすこぶる居心地が良かった。

 特に重宝したのは、未来を予知する女神の能力だ。
 太陽の巫女を完全に支配していた赤い瞳は、次の完璧な器を得るためにその力を遠慮なく利用した。
 サラ姫を器として育てるために、不確かな未来から緻密なシナリオを作っていった。
 そして砂漠の国へ行き、国王に戦争を予言し、カナタ王子に狂気の種を植え付けた。
 それらのしかけが芽を吹き、いつか花開くと信じて。

「邪神は、次の器であるサラ姫……私の妹を守るために、最善を尽くした。でもその中で、一つだけミスをしたのよ」
「それは?」
「私を殺し損ねたこと」

 思ったよりもすんなりと流暢に、その言葉が出てきて、サラは自分に対して驚いた。
 当然、ジュートは厳しい目つきでサラを見下ろしてくる。
 サラは苦笑しながら、真相を伝えた。

「太陽の巫女は、双子を身籠ったことを早々に予知したのよね。そのとき、邪神にがっつり操られてたから、彼女はやっちゃいけないことをしてしまった。自分の身体に向けて、闇の魔術を使ったの。身籠った双子のうちの片方を……女神の器の方だけを狙って」
「許せねえな。お前を殺そうとしたってことか……」

 軽い口調ながら、ジュートの怒りは本物だった。
 身体を小刻みに震わせ、眉間には縦じわがくっきり、額には青筋も浮いている。
 サラは、嬉しさで顔がスライムのように蕩けそうになる自分を必死で諌めた。

  * * *

 精霊王は、昔から女神の恋人。
 けれど、女神と邪神の争いに関しては、神さまと同じように絶対的な中立を保っている。
 はずなのだけれど……。
 鋭い眼光をふっと緩めて、サラの髪を撫でるジュートは、どうみても『女神ビイキ』だ。

「しかしなぁ……あいつは良くそういう卑怯なマネをするんだよ。ったく」
「でもね、神さまはそれを分かってたの。邪神がルール違反をしようとしてるって。だから神さまは、太陽の巫女の身体を二つに分けたの。太陽の巫女が本来持っていた“女神の良心”と、次の器になる胎児の私を、異世界に逃がした。いずれ私が力をつけたとき、この世界に戻ってきて公平に戦えるようにって、運命を変えたの。あの日に」
「日食か……あんときゃお前も大変だったな」

 うっかりそう漏らしたジュートに、サラは「やっぱり知ってたんだ」と低い声で呟いた。
 日食は、女神が復活した証。
 太陽という女神の化身が居なくなり、邪神の放つ闇が大地を覆うとき……女神は大地へと舞い降りる。

「お前らの勝負を見届けるのも、俺の仕事の一つ。悪く思うなよ」
「もしあのとき私が死んじゃってたら、どうなっちゃうの?」
「死なないよ。ちゃんと守られてるからな」

 ぷうっと膨れたサラの頬に、ジュートはキスをする。
 高い鼻がサラの頬にぶつかりそうなって、ひゅんと遠ざかっていく。
 その整い過ぎた顔を見つめながら、サラは考えた。

 もし自分がジュートの立場だったら、どうするだろうか。
 ジュートの身に危機が迫っていると知っていたら、たぶん見ているだけなんて無理だ。
 それはサラが持つ女神の母性であり、父性の強いジュートとは、思考回路が決定的に違うのだろう。
 男と女の違い……そう無理矢理結論付けたサラは、日食が起こったあの日へと思考を飛ばした。

「あのとき私、本当に死んだと思ったの。死を通じて、全てを司る神さまと同調したような気がするんだ……」

 過去も未来も、この世界も異世界も……全ての世界を見通す、あの万能感。
 今思えば、あれは女神の能力を遙かに超えていた。
 闇の魔術の影響で記憶を失ったハナが、サラのために『予言のノート』を残したのも不思議だ。
 この世界に戻った時、サラが不利になり過ぎないようにという、慈悲深い神さまが与えてくれた配慮だったのだろうか。
 そんな小細工をするくらいなら、いっそこの戦いそのものを止めてくれればいいのに。

「まあとにかく、神さまが逃がしてくれたおかげで、私とお母さんは異世界で幸せに暮らしてたってわけ」
「幸せねえ……お前はそうかもしれないけど、母親の方はそうでもなかったんじゃねーの」
「なによ、失礼なっ! お母さんだって……」

 言いかけたサラは、ジュートの頬をつねろうと持ちあげた手を、途中で止めた。
 ヒュッと、風を切る音。
 自分たちの背後に居たはずのハナが、サラの脇を駆け抜けて行った。
 国王と太陽の巫女、二人に向かって。

  * * *

「――悪いけど、もう見てられないっ!」

 それは初めて聞く、ハナの叫び声だった。
 ネガティブな感情とは無縁だったはずのハナが、怒っている。
 自分に向けられる、愛情たっぷりのお小言とは全然違う……鬼気迫るハナの剣幕に息を呑んだサラは、自分が思い違いをしていたことに気付いた。
 愛と憎しみは、裏表……ハナは怒りの表情と言葉を使って、本気の愛情を伝えているのだと。

「あなた、いつまでこの人に甘えてるつもりよ!」

 仁王立ちするハナがビシッと指さしたのは、放心状態の国王。
 サラは「指っ」と言いかけたけれど、左手に掴んだ熊サラが、またもや大活躍。
 細か過ぎるツッコミをしようとしたサラの口を、もがっと塞いだ。
 挙動不審なサラを尻目に、興奮したハナは叫び続ける。

「私には記憶が無いけど、それでも分かることだってあるんだから! あなたがそうやって逃げてる限り、あなたもこの人も、私も、幸せになれないって!」

 サラは、熊サラに顔を押し付けながら、震える唇をなんとか抑えた。
 ジュートの言った通りだ。
 ハナは、幸せそうに見えていたけれど、そうじゃなかった。
 神さまの手助けがあったとはいえ、ハナもこの世界から逃げた存在だ。
 過去を思い出せないことが、大事なことを忘れながら日々を平和に生きていくことが、本当はもどかしくて辛かったのだ。

「ねえ、どうして起きないの? ただ拗ねてるだけ? 怖がってるの? それとも、戻るつもりないの?」
「ハナ」

 国王が、初めてハナに話しかけた。
 たった一言、名前を呼んだだけで……ハナ本人はもちろん、誰もが心を揺さぶられる、深く柔らかなバイオリンのような音色で。
 サラたちの会話が、国王に聞こえていたとは思えないのに、国王は二人目のハナが誰なのか良く知っているとでもいうように微笑んだ。

 名を呼ばれ、鳶色の瞳に見詰められたハナは、頬を一気に紅潮させた。
 夕靄に包まれる砂漠の中に咲いた、一輪の花のように。
 サラはその表情を見て、ハナの中で止まっていた時計が、音を立てて動き出すのを感じた。
 具体的には何も思い出せないのに、国王を見るだけで燃え上がる炎のような感情が、ハナを突き動かしているのだと。

「……私は、もう逃げないから」

 夕陽を受けて凛と立つハナの横顔は、微笑んでいるようにも、泣いているようにも見える。
 青い瞳は濡れたように艶めき、可憐さの中に意志の強さを感じさせる。
 美し過ぎるその姿に見入りながら、サラは思った。

 ハナが生きるべき場所は、ぬくぬくと温かく守られたあの場所じゃなかった。
 サラがこの世界を選んだように、ハナもずっと『帰りたい』と望んでいたのだと……。
 ハナの想いを知って感情が高ぶったサラは、瞳を潤ませスンッと鼻を鳴らした。

 そんなサラの肩を、ジュートが優しく抱き寄せる。
 王子二人は、もうジュートに妬くような状況ではなく、静かに国王とハナのやりとりを見守っている。
 他の人間たちも、物音ひとつ立てない。
 静まりかえった砂漠に、サラが耳を疑うような台詞が響いた。

「あなたがもし要らないっていうなら、この人……私がもらいます!」

 最愛の娘と、その他ギャラリーの見守る前で。
 ハナはそう宣言すると、腹をすかせたライオンのように国王へ飛びかかり……その唇に噛みつくようなキスをした。


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【後書き】↓次号予告&作者の言い訳(痛いかも?)です。読みたい方のみ反転を。
(携帯の方は「テキストコピー」でたぶん読めます)
 はわわわ……という展開になってきました。またもや加筆加筆でぷくっと水膨れです。しかし娘が見てる前で母のラブシーンって、なんとなくイヤーンな感じですねぇ。といいつつ、サラちゃんもしっかりイチャついてるのですが。こういうの、アメリカンなドラマだと普通なのですが……ミーは日本人なので、見えないとこでやってくれーと思います。なんていうか、デパートのエレベーターで彼氏と二人きりになった瞬間とかさぁ。(←妄想)さて、今回でようやくハナさんと異世界召喚の回答編が終了しました。はー。つじつまちゃんと合ってるか、なんて難しいこと考えないでササッと読み飛ばしてくださいまし。しかしジュート君が出てくると、王子様が空気になってしまって困ります。彼がいなければ、王子二人と漫才調で回答編だったのに。その方が書いてて楽しいです。この話では『神々の遊び』的な、ちょっと薄っぺらい(好きになるのに理由が無い)恋愛なので、なんか書きにくいんだな。ま、ラブシーン全般苦手なのですがー。
 次回こそ、太陽の巫女さん復活。ハナさんの特殊なアレが暴露されます。こんなエンディングでいいのか? と思いつつ……ついに最終回です!



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