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国王の間とはいえ、カーペットの毛足は短く粗末なものだった。 オアシスの国との違いをお尻で感じつつ、サラは目の前の人物を見上げた。 童話から抜け出したような、一人の年老いた魔術師。 手にした赤褐色の杖には捻じれや窪みが走り、壁際の炎に照らされ幾筋もの陰影を作っている。 なんとも不気味な形状の杖だが、この魔術師にはとても良く似合う。 杖の代わりに毒りんごでも持てば、もっと似合うかもしれない。 そんな...全文を読む
Author:AQ(えーきゅー) 細々と小説書いてます。
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